未来感のある公共システム開発

読書と編集 千葉直樹です

このサイトが話題になっています。

東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

とても見やすく必要な情報がまとめられています。こう言っちゃ失礼ですが、お役所のサイトってだいたい野暮ったくて、使いにくいことが多いと思います。

よくあるのが文書のPDF表示。まあ公文書の扱いが硬直的でこんなことになるんだろうなとは思いますが、パソコンはともかくスマホじゃ見られたもんじゃない。

とりあえずそういうのは置いて、上記のサイトが興味深いのは、サイトのソースコードが公開されていることなんですね。きちんとオープンソースの流儀に則って開発が進められているようです。

どういうことかというと、サイトのバグフィックスとか、改良とか機能追加を、コードを書ける人が提案できるようになっているんです。

提案と言っても、いろんなレベルがあると思いますが、オープンソースの世界では問題の解決案をコードで書いてやることが多いです。バグフィックの場合も、「こんなバグがあるよ」と言うだけでなく、たいていはその修正コードを一緒に提案するんですね。

もちろんすべてが採用されるわけではなく、プロジェクトの責任を持っている人が議長になって議論をし、取捨選択してそのコードを適用していきます。そこではプロジェクトに参加する人の公共に対する意識が重要になっているわけです。

われわれが毎日お世話になっているインターネットの基盤の大半はそういう形で構築されているということは、ITの業界にいる人にとっては当たり前ですが、一般には案外知られていないことかもしれません。

僕はサラリーマン時代にとある自治体のシステム開発に携わったことがありました。それは結構画期的で、それまで様々な面でベンダーの有償開発物によって閉鎖的に作られていたシステムを、オープンソースを使って開発しようというものでした。

いまでもそうだと思いますけど、オープンソースで開発するというのはお金を出す人を説得するのが大変なんです。どんなにお金がかかっても最終的に丸投げできるところに委託するということになる事が多い。

オープンソースだからタダだと誤解している人も多くいます。

それは、あなたが自分でオープンソースを理解して自分で運用するならタダですよってことがなかなか理解されないんですね。

だから当時はなかなか画期的でした。

でも、流石にオープンソースベースで作るとは言えても、その開発を公開しようということはとても考えられませんでした。

上記のサイトは、今の緊急事態をテコにひとつハードルを越えた感じがします。

もちろんプロジェクトを運営していくのは大変だと思います。それでも、世界を相手にオープンソースプロジェクトを運営した経験のある人ならやっていけるかもしれません。

プロジェクトが公開されているということは、(技術ばかりではない)システムづくりにあらゆる人が参加できるということを示しています。もちろん、あらゆる人と言ったって、技術を持っている人には限られるわけですが、それはオープンにされている技術であって学ぶ気に慣れば学べるものです。

公共のシステムづくりを公共的に行うひとつの形がここにあります。

ITの世界の話でしょ?って思った人は現実を理解していないかもしれません。すでにITが我々の行動を規定するようになってきているからです。それに気づかずに単なる利用者になっているのと、その規定を作る側にいるのとでは生き方に大きな違いが出てきます。

知識を現実の世界に適用できる可能性がITによってどんどん開けてきているわけです。

だからITを勉強しよう。ということになります。

こういうことについて書かれた本があります。

まあ、難解な本ではありますが、コードが持つ意味について新しい理解ができる本だと思います。

システムのソースコードは単なるプログラムだけで済まない意味を持ってきているということをぜひ知ってほしいなと思います。

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