論理削除のはなし

読書と編集 千葉直樹です

論理って?

ITに関わる人は、論理/物理っていい方をよくします。

最近はゲーマーなんかもこういう区別した言い方をすることがあります。

なかなか理解しにくい概念ではあるのですが、僕はこんな例を使ったりします。

「物理的に頭が痛い」→普通の頭痛ですね。ホントに痛いやつ。頭痛薬とか服んだりする。

「論理的に頭が痛い」→難しい問題に頭を悩ませている状態。「このケースは頭が痛いよね」みたいな時に使う。

まあ、実際にはネタとしてしかこんな言い方することはないですけど、同じ「頭が痛い」にも種類があって、あえて物理/論理と分けて言っているわけですね。

論理的に頭が痛いときは、「考えること(論理的世界)」が問題で、別に脳の血管(物理的世界)に異常があるとかではないわけです。

まあ、これはシャレみたいなものですが。

コンピュータの世界では

「仮想」という考え方がコンピュータのなかではよく使われています。

例えば、今見ているディスプレイ上のウインドウ。これは論理的なものですけど、物理的なディスプレイの液晶の細かいシャッターが閉じたり開いたりということで成り立っています。

もちろん、人間がその何百万もある液晶のシャッターを自分で閉じたり開いたりするのは大変なわけで、コンピュータは人が見やすいように論理的な世界と物理的な世界の橋渡しをしてくれているのですね。

さて、ここで話したいことは、データのことです。

パソコン上でExcelを使ってファイルを作ります。なにがしかの役割を果たして、要らなくなったのでファイルを消します。

これ、ほんように消えたのでしょうか?

ゴミ箱に入るっていうのもありますね。この段階では単にゴミ箱に移されただけですから、消えていない。これは納得できるでしょう。

じゃあ、ゴミ箱の中身を削除したら本当に消える?

ここがちょっと難しいところです。

説明し始めると長くなるので結論から言います。

消えていません。

いつか消えることもありますが、それは通常意識しない時ということになります。

論理削除とは

ちょっと角度を変えます。

帳簿があって、「えんぴつを70円の現金で買いました」と記帳したとします。

実はえんぴつ80円でした。間違えて書いちゃった。

こういうときどうしますか?

帳簿をちゃんと扱っている人なら、70円を消しゴムで消して80円に書き換えるなんてことはしませんね。

大抵は二重線かなんかを間違えた部分の上に引いて、その上に正しいことを書いたりします。

もっと厳密に、誤りを打ち消せる情報を作って追加するという場合もあります。

ややこしいですけど、記録したものは削除してはいけなくて、訂正するのが基本。ということです。

コンピュータの世界でもこれ、よくあります。

人から見たら消えたように見えるのですが、たいていは「見えないようにするだけ」です。

これはいろいろ理由があるのですが、とても簡単に言うと、必要があれば元に戻せることを保証する。ということなんです。

パソコンのデスクトップにあるゴミ箱とか、Excelの「もとに戻す」とかがそうですね。

これ、あたりまえのように思いますけど、実は深い問題です。

ホントにホントに削除するのはいつ?どうやって?ってことです。

「見えないようにする」が論理削除なのですね。本当削除したわけじゃなくて、削除という情報を新たに書き込んでいるということです。

本当に削除するのはよほどの理由がある時だけです。

しかも、ホントのホントに物理的に削除するって、究極的には記憶装置を物理的に破壊する、粉々に擂り潰すところまでやる必要があるのです。

物理削除は大変だから、論理削除で済ますと考えてもいい。

昔はコンピュータが使える資源が限られていたので、再利用するときに上書きされて物理的な削除がわりとよく起きました。

今はというと、使える資源量はどんどん増やせる時代なのです。

それが暗示することは何でしょう?

大抵のことは論理削除

私達がネット上に書き込んだものは、仮に削除したとしても、本当には消えていない可能性があるということです。

これ、間違って削除しちゃったけど戻したいっていう要求があるし、もっと高度なことを言えばサービス提供者があとで責任を問われる可能性があれば記録は残すのが得策ということもあるわけです。

それ以外にも、みんなスクショでコピーとるでしょ?誰がとったかわからないものを全部消すってできないですよね。

ネット上のものって、いたるところにコピーが作られるし、その記録も残るんです。なにかを削除したら、そのなにかと一緒に削除したっていう記録が残るだけなのです。

もっというと、どこからアクセスしたかの記録も残っています。

別にね、あなたを陥れるために記録しているんじゃありません。コンピュータシステムにバグはつきものだし、故障だって起きますし、場合によっちゃ悪い人がシステムに悪さをするかもしれないのです。そういうことが起きた時に対処しやすいように記録しているんですよ。

こういう記録、未来永劫とっておくのはまあ無理なんですけど、とっておく資源量は増え続けていますから、徐々に長く記録されるようになっていて、なにか起きた時に遡れる記録は結構あるのですね。今どれくらいとは言えません。ただ増え続けているのは確かなように思います。

というわけで結論

あなたがネットに書いたものは消えず、書いたあなたを特定することも論理的にはいつでも可能

ということです。

裏アカで毒吐いてもいいですけど、それあなただとバレてるって意識してやってますよね?

はい。僕がちょこちょこ書いたり言ったりしている「インターネットには匿名性は存在しない」ということをまた違う角度で繰り返しているだけのことでした。

蛇足ですが「マイナンバーで個人情報が国家に管理される」とか、素朴なことを言っている人を見かけると、そんなことより自分が責任ある言動を常にとるという意識をもつことのほうが大事なんじゃないかなあと思いますね。

世間様はつねに見ているし、知っているのですぞ。

Follow me!

きーちゃんは言いたいことがある

きーちゃんは言いたいことがある!
きーちゃんグッズのお店があるんですよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

前の記事

納豆モナカのはなし

次の記事

Kindle蔵書一覧