シリコンが考えるって笑えるよね

読書と編集 千葉直樹です

昔の話

蒸気機関が発明された時、それは時代の最先端でした。

最先端の技術を手にした時、人は、

「これで何でもできるぞ」

って考えるのですね。

で、脳の働きを蒸気機関で模倣する方法を考えた人がいたそうです。

面白いと言うか、

「どれだけでかくなるんだよそれ」

って今なら思いますよね。

コンピュータが発明された時、もちろん同じようなことを誰もが考えました。

第二次世界大戦が終わるか終わらないかの頃、その頃の技術を集めて今のパソコンとインターネットみたいなモノを考えた人もいました。人が思考することを支援するシステムで、コンセプトとしてはより実現可能な感じではありますが、今見るとちょっと滑稽だったりはします。

コンピュータはどんどん進化して、今は手のひらに乗るサイズでもずいぶんたくさんの事ができるようになりました。

デジタルは便利

今、手のひらに乗るサイズのコンピュータは、シリコンの小さなチップで作られています。

ずいぶんたくさんのことができるようになりましたが、それはデジタルの技術に支えられています。

これは、極論すると「すべてのモノや事象は数値で表すことができる」という信念です。

実際、これはとても便利で、様々なことをデータに置き換え、それをプログラムを使って大量に処理することで今の便利な生活が成り立っていると行っても過言ではありません。

いかに短時間に大量のデータを処理できるか。そのために現在のコンピュータは小型化を進めているのです。

今はやっと複雑なウイルスの遺伝解析とか、効きそうな薬を探すとか、そういうことのためにスーパーコンピュータが使えるようになりました。

使えるようになったというのは、計算量に対して計算時間が実用の範囲内になったということです。

それだけ大量の計算をする事ができるようになったわけですが、それでも世の中の問題のほんの一部を解析できるようになっただけです。

もちろんそれはそれですごいことで、今後もこのような技術は発展していくに違いありません。

僕はAIという言葉を慎重に使います。「人工知能」というのはとても曖昧な言葉で、漠然と人間が考えるようにコンピュータも考えられるようになると思われていますが、だいたい「知能」という言葉ひとつをとっても、人間の考える能力のある側面しか表していないのです。

「考える」はさらに曖昧というか、漠然とした言葉です。

AIというと、なにかすごそうなイメージがあるのでキャッチコピーみたいなものによく使われていますが、まあ曖昧なまま使うのに良い程度の言葉なのです。

で、そのようなAI研究の領域で今流行っている技術は機械学習という分野ですが、それは今使われているコンピュータの仕組みでは莫大な量の計算を行う必要があります。

特定の分野に限れば実用的な時間の範囲で実用的な結果を求めることができるようになったということなのですが、往々にしてそれは人が直感的にわかる程度のことだったりします。

この辺に、デジタルで処理をすることの限界が見えてくるような気がします。

未来は

時代が進むにつれてデジタルの限界が明確になってきて、いつかまるで違う原理で脳の動きをシミュレートできるようになるでしょう。

何十年か何百年か経った時には、

「21世紀の人たちは、脳の働きをシリコンチップで模倣しようとしたんだってさ。だいたいどれくらい大きくなるんだよww」

と半ば呆れたように言われるときがくるでしょう。

「デジタルがアナログにかなうわけ無いだろう」

「いやいや、あれは解像度が十分じゃない原始的なコンピュータの時代だから仕方がない」

なんて話しているでしょう。

「数値ですべてを表現することができる」

というのは便利な考え方ですが、たぶん今はそれで表現できることだけに集中しているだけのことです。


ただし、だからITの勉強なんかしなくてもいいと言っているわけではありません。

少なくとも僕たちが生きている間はこのトレンドは変わりません。今一番便利に、豊かに暮らすための手段として最先端のものだということは間違いありません。

ただ、問題領域を、解決できる方法だけで定義してしまうと視野狭窄に陥るということは意識しておきましょう。

面白い発想は、過去を知り、未来を考えることから生まれるのです。

僕の仕事に対する姿勢はそういう考え方が根本にある。

このブログはそういうことをお伝えするために書き続けています。

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