ミッションコントロールセンターといえば

Mission Control:The Unsung Heroes of Apolloという作品があります。
日本名は「アポロ管制センターの英雄たち」となっていますが、僕はあえてミッションコントロールのほうをとりたい感じ。
ロケットの打ち上げのとき、必ず出てくるのがミッションコントロールセンターの画面です。前の壁に大きなディスプレイがあって、そちらに向かってコンソールが並んだ列が何段もある。あの景色。
最近のミッションコントロールセンターは液晶ディスプレがずらりとならんでいますが、アポロの頃はブラウン管ディスプレイとか、たくさんのスイッチ類が並んだ重厚な感じのコンソールが並んでいましたね。
そこにヘッドセットを付けたいろいろな専門の管制官が張り付いているイメージ。
飛行機もそうですけど、空を飛ぶものは基本的に管制のコントロールで動いています。僕たちが思うよりパイロットの裁量の範囲は多くありません。あれだけのスピードで飛んでいるものをひとりの人間がコントロールするのが限界があります。
ロケットも複雑なシステムですから、それらのコントロールはたくさんの人が分担して行います。まあ、いまはコンピュータでの自動制御も随分増えたでしょうけど。
そういう複雑なリアルタイムに動くものを制御する仕組みをゼロから構築したのがアポロ計画でした。
10年で月に到達する。
そんなほとんど馬鹿げたと言っていい目標を達成するために管制官たちがどんな風に戦ったのか。上記の作品ではそれが描かれています。実際の音声や画像が豊富に使われていて、当時の管制官やパイロットの方たちへのインタビューで構成されています。
誰もやったことがないことを実現するためにどのようにチームを組み、どのようにモチベートし、危機をも乗り換えられるようなチームに作り上げていくのか。
アポロ計画では、1号で悲惨な火災事故が起きました。そこから管制官たちを率いていくためにリーダーのジーン・クランツが言った言葉が「タフで有能であれ」。人々の努力によってアポロ計画では最初の事故で亡くなった三人の他は全員が帰還しているのですね。もちろんその中にはアポロ13号の事故も含まれています。
「タフで有能であれ」は今でもミッションコントロールを担う人々に受け継がれているそうです。
僕もこの言葉を胸に仕事をしていきたいと思います。